欲求に負けて
「あっ!」
ゆっくり呑みこまれていく感覚に、背中がぞくりとした。
上あごの内側のざらざらしたところで、何度もこすられる。
ノドの奥にぐいっと吸い込まれ、先っぽがなにかに当たったと思った次の瞬間、僕は見事に美由紀さんの口のなかに放っていた。
「ああぁーっ!しょ、美由紀さん、ご、ごめんなさい」
顔を上げた美由紀さんが、赤い舌で唇を舐めた。
本当に、飲んじゃったんだ……。
「うふっ、おいしかったよ」
美由紀さんの濡れた唇からのぞく赤い舌が、小さな生き物のようにチロチロと動く。
何事もなかったように、僕の隣に座った美由紀さんの手を握る。
唇をみつめていると、美由紀さんが目を閉じた。
3回目のキスは、ちょっとイヤな味がしたけど、美由紀さんは僕を離してくれない。
それどころか、キスをしながら僕の手首を握り、その手をスカートのなかに導いたのだ。
僕の手が、美由紀さんの太腿にかかり、なめらかな肌をそっと撫でながら上に昇っていく。
ストッキングを穿いてない脚は、しっとりと温かい。
この人は、いとこの拓哉兄さんの奥さんなんだ。
だから、こんなことをしちゃあいけないんだ。
必死で、そう考えようとするんだけど、僕の理性は、またもや下半身の欲求に負けてしまった。
「なにを遠慮してるの?もっと奥まできていいのよ」
「はい……」
ふいに指先が、布切れに触れる。
「あ……」
「いいのよ。触ってみて」
股間の薄い布は、熱く湿っていた。
布の上からこすってみたり押してみたり、2本の指でつまんでみたりしたけど、どこがどういうふうになっているのかさっぱり形がつかめない。
見たい。
下着を脱がせて、明るいところで、そこをよく見てみたいと思った。
「美由紀さん……」
「直接、触ってもいいのよ」
美由紀さんは、僕にそこを、直接触ってもらいたいみたいだ。
僕だって、触りたくないわけじゃないけど、それよりも見てみたいんだ。
とりあえず、パンティの隙間から指を入れてみる。
ぐちゅっ……。
いやらしい音が聞こえたような気がした。
僕の指に触れたものは、ぐにゃぐにゃに柔らかくて、形なんかないみたいだった。
熱く濡れている中心に指を進めると、ふいに指先が吸い込まれるような感覚がした。